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| 軽妙に描かれた深く重い主題 |
「かんなぎ」の魅力は見る人によって異なるだろうが、自分は、単純にラブ・コメディーとして秀逸、でこの作品を終わらせたくない。
読者の圧倒的多数が男性の若年層だと思うが、自分のような中年が読んでもこの作品は深いな、と思わせられる。何故ならば、軽妙にコメディータッチで描かれているのだが、主要登場人物が抱えるアイデンティティの不確実性から性同一性の混乱、そして多重人格やトランス、虐待に至るまで、精神医学・臨床心理学的テーマが随所に見受けられ、しかもそれが時に切実な哲学的問いかけになっているからだ。いわゆる「オタク向けラブコメ」の定番である「ラブひな」と比べると、作品としての厚みが全く違うのは、作者の人間理解と学識の深さ故だろう。
吉田戦車ともまた違う、微妙にズレたギャグ感覚が、絵柄や作風に非常に上手くマッチしている。ほとんど武梨ワールドとも言える、シリアスで微笑ましい独特の世界観は大切にして貰いたい。現在は体調不良ということだが、才能溢れる作者の復活を楽しみにしている。 |
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| (2009-01-05) |
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